弁護士の吉村です。

今日は起業について。

会社の経営者同士の紛争のご相談も多い。

その中でも次の2ケースがトラブルのトップ2だと思う。


経営権紛争トップ2 ①誰かと一緒に起業して共同経営を始めた後,仲違いして,揉めるケース。
②起業に際して出資してもらって,後々揉めるケース


 まず,①については,最初は運命共同体のように仲良く始め,リスクも半減するし,誰かと一緒にやることで心強いことも多くメリットがあるかのようにみえます。

しかし,二人で始めても,どちらか一方がより頑張って成果を上げ利益を生む。もう一方はぱっとしない。にもかかわらず利益は折半というのはちょっと納得いかない。それで,利益の分配率を変えようとすると,もう一方は納得しない。又は,音楽性の違いを理由に解散するバンドのように,途中から経営方針について意見が食い違う。

次に,②ですが,色々アイディアはあるんだけどカネはない。そして借金をするのは嫌だ。そうしたところに,親切そうな金持ちのおじさんが「これでやってみなさい。」と出資してくれる。会社の立ち上げに際して株式の半分以上をもってもらう。

出資なので,返済の義務はないし,リスクなく事業が開始できるのでよさそうだけど,事業が軌道に乗って利益が出始めると,出資者が色々言ってくるようになる。もっと利益をよこせ,と。その辺りからうるさくなっていき,遂には役員を解任される羽目になる。

以上は,原因は簡単で,いずれも起業に際して一人で身銭を切っていないことに原因がある。

基本的に,リスクを負わない人は利益も得ることができない,これが鉄則である。

起業に際しては,自分で金を用意するべきだ。

それは借金(但し,高利のサラ金は除く)でもなんでもして用意しなければならない。

そして,他の人員は雇う。仮に誰かを役員として雇うとしても給料は払う。

つまり,経営についてリスクを負うのは,経営者自分一人だけ

ここまでして始めて,上記経営紛争なく起業ができる。

これを聞くと,起業なんてリスクの割に合わない,嫌だ,と思う人,あなたの判断は正しい。

但し,起業には向いていないので,既に誰かが起業したビジネスで雇って貰い給料を得て下さい。

割に合わないことは承知で,最悪破産かもしれないけど,それでも自分で身銭を切ってやってみたいことがある!これをやらずには死ねない,という奇特な人。その人だけが起業の資格ありです。

以上は,起業して従業員の規模が10人くらいに達するまでの話。

その後の規模にシフトする場合は,別のことを考える必要がありますが,それは別の機会に。