労働問題.COM|弁護士による労働問題(労働審判,労働組合)の解説 

解雇,残業代,派遣,非正規社員,労働審判,労働組合,訴訟,仮処分などの労働問題について経験豊富な弁護士が分かりやすい解説をしています。

2015年02月

 

弁護士の吉村です。

さて,本日は,「言葉によるセクハラ」に関し,最高裁判決が出されましたので,その解説です。

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事案はこんな感じです。セクハラ親父が,若い女性社員に対して,他に誰もいない状況で,「俺のん,でかくて太いらしいねん。やっぱり若い子はその方がいいんかなあ。」「この前,カー何々(セックス)してん。」「結婚せんでこんな所で何してんの。親泣くで」「30歳は・・おばさんやで。」「もうお局さんやで」「お給料全部使うやろ。足りんやろ。夜の仕事とかせえへんのか。」などとセクハラ発言を1年以上にわたって行った事案です。


被害女性は嫌気がさして退職してしまいました(なお,この件で,被害女性がセクハラ親父を訴えたら,慰謝料が認容されてもおかしくない事案といえるでしょう。)

会社の従業員中,過半数が女性社員で,顧客も約6割が女性という,女性が多い職場です。女性従業員を大事にしなければ成り立たない職場ということが出来ます。

会社は,セクハラ親父に対して,出勤停止及び降格の懲戒処分を行いました(これは,解雇に次ぐ重さの処分です。)。これに対し,セクハラ親父達は,「注意とかならまだしも,出勤停止や降格は重すぎるやん!」と懲戒処分の無効を求めて提訴しました。

第1審は会社勝訴,第2審はセクハラ親父勝訴,そこで,今回の最高裁が,セクハラ親父への懲戒処分は相当であるとして,会社勝訴を言い渡しました。

 

セクハラで懲戒処分というと,ホテルに連れ込んだとか,お尻をさわった,などという身体への接触があるケースが多く,言葉のセクハラは,せいぜい注意や始末書程度で済まされていたのがこれまでの現状だったと思います。言葉のセクハラで,解雇に次ぐ重さである出勤停止や降格まで行うという企業はそれほど多くなかったと思います。しかし,今回問題となった会社では,セクハラ親父に対して出勤停止及び降格という重い処分で毅然とした態度を示し,それが最高裁でも認められました。つまり,企業は,言葉のセクハラに対しても,重い処分をもって毅然とした態度を取ることができる,ということのお墨付きが与えられたのです。

 

また,今回の事案では,「女性が嫌がっているとは思わへんかったわ~。むしろ笑って聞いていたで~」というセクハラ親父の典型的な弁解についても,最高裁は,「セクハラ親父とことを構えたくない女性が我慢してるだけじゃ,ボケ!勘違いすな!」と切って捨てました。その意味も大きいでしょう。

 

戦後,我が国では,女性の社会進出が推奨され,男女雇用機会均等法等の法の整備も一応はなされておりますが,まだまだ女性にとっては働きにくい社会であることには間違いないでしょう。職場のセクハラは,女性の就業環境に影響を与え,就労意欲やモチベーションを低下させる大きな要因の一つとなります。セクハラにより優秀な女性社員の離職や成果減退に繋がることからすると,企業秩序のみならず,企業利益をも損なうと言うことができます。セクハラに対する対策後進国である我が国は,漫然とセクハラを見逃してきた気風があり,企業もさほど厳しい対応はとってこなかったのですが,今回の最高裁判例により企業が毅然とした態度でセクハラ労働者に対して臨むことができることを明らかにした意義は大きいでしょう。

また,女性労働者は,言葉のセクハラ被害にあった場合,慰謝料請求などは法的に認められないとしても,会社へセクハラ被害を申告し,再発防止を求めると共に,会社にセクハラ親父への懲戒処分をするよう求めることは可能です。今回の最高裁判例により,より重めの懲戒処分を求めることで,セクハラ親父対策をとることができることを意味します。

 

セクハラ親父は,「セクハラ,セクハラって,そんなに堅いことばかり言わんと~。女の子としゃべられへんわ~」などという意識では,足下をすくわれる,そんなことを示唆する判例と言えますね。

なお,全体的にエセ関西弁口調で失礼しました・・・ 今回の最高裁判例の中にも関西弁でのセクハラ発言が引用されており,セクハラ発言の下衆さかげんを倍増させていたので,ついつい言ってみたくなりました。

それでは,また。 

拝啓 向春の候 ますますご清栄のことと心からお慶び申し上げます。

平素は格別のお引立てを賜り厚く御礼申し上げます。

さて、当事務所は、このたび、平成27年2月14日に下記のとおり事務所を移転致しましたので、お知らせ申し上げます。

また、電話番号・Fax番号も変更となりますのでご確認頂きますようお願い申し上げます。

これを機会に、さらに皆様方のご信頼を得られますよう専心努力いたす所存でございますので、今後ともなお一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

吉村労働再生法律事務所 所員一同

 
移転先住所
〒101-0053
東京都千代田区神田美土代町11-12 ニチヨビル6F
新電話番号 03-3518-6056
FAX番号 03-3518-6059
アクセス
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業務開始日
平成27年2月16日(月曜日)より移転先で
の業務を開始致します。また,同日より上記電
話番号へ変更になります。

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